彼は歌謡形式のヒットソングはあまり出していません。(異論はあるでしょうけれども事実です)
ピンク・レディーが多忙な中のやっつけ編曲になってきたことに気付いたのか、後年は萩田さんや井上さ等のアレンジャーがついてからは曲がドッシリとしています。
林光や間宮芳生なんかにもいいものがありますね。あとは松平頼暁もいるし、ああ湯浅さんを忘れちゃいけませんよね。
近藤譲にもいいものがあるし。一柳さんはつまらないけど。
佐藤聰明、廣瀬量平なんかも結構聴いたし、変わったところでは小杉武久にも影響されたなぁ。
あ、上記のドイツ系、フランス系以外にもアメリカというのがありますからね。
もちろんケージ、ライヒ、グラス、ラモンテヤングなど。そのつながりでフルクサスのアーティスト達にも影響受けたし。
※坂本さんが海外のみならず、日本の作曲家達にも影響を受けていたことは私には驚きであった。
どこか彼を神格化していて、日本の作曲家など眼中にないのではないかと思っているような所があったから。
また、面白いことにつまらないと言われている一柳さんは日本の作曲家では重鎮の扱いである。本当に尊敬されているかどうかは知らないが...平山郁夫の様な存在であろうか。
ちなみに、私は今の日本のアカデミズムには全く興味も魅力も感じない。
あまりにも閉鎖的であり、自分の城でしか闘わない人達と思っている。
生活を、自己のアイデンティティを守るためにそれは致し方のないことなのであろうけれども。
優れた音楽家ほど他者への批評も厳しいものである。それは過去のシューマンやドビュッシーの例を見ても明らか。
日本は波風を立てないことが大人であり、美徳であるように考えている人間が大半であるが、芸術というのはぶつかりの火花の中から生まれるものである。
仲良し倶楽部からは何も生まれない。商業音楽界も全く同じ状況である。
人を批評、批判することをディスる(私の感覚としては、ゲットしたと同じくらいに古い)という言葉でまとめてしまうのは勿体ないのではなかろうか。
2016.6
坂田さんのクラシカルな曲を集めたCDはないのかと思いまして。
※坂田晃一というのは不思議な音楽家で、あれだけ抜きん出た芸術性と大衆性を兼ね備えながら、クラシカルな分野への作品というのは異常に少ない。
基本的には「頼まれないと書かない」と話していた。
そういう意味で私は芸術家ではないね、と。
ジョン・ウィイリアムスはすごいパクリ屋ですが、もし本人が書いているとすると、やはり書く力はとてもありますね。昔のハリウッドの作曲家はみんな書いていましたが、その最後のような人だと思います。
※アメリカは基本的に分業である。下手したらメロディとコードしか書いていない可能性も否定出来ない。しかし、高齢になる前は彼も4段のリダクション譜を書いていたそうであるし、そこからオーケストレーションをするのはオーケストレーターの仕事である。
日本は三枝さんなどを除き基本的には自分で全て書かないと、軽蔑の対象となるようなところがあるが、要はコーラの原液を作ったものが勝ちなのである。技術に焦点が当たることが少ないのは、それは努力や経験で効率的に出来てしまうところがあるから。
音楽的な才能というものを「作曲」だけに求めるのは少し酷であるし、テクノロジーが優先の現代ではアレンジャーに日が当たることがあっても良いのでは?と思わされることも度々である。
リヒャルト・シュトラウス、つまりませんねぇ。彼は「店のメニューでも音で書ける」と自慢していたそうですが。
ヒンデミットもつまりません。ピアノとホルンとか、楽器の組み合わせはいいと思うものもあるんですが、本当に音楽がつまらない。
ぼくは、どうしても、ドイツ系からウィーン楽派、そしてドビュッシー、ラベル、メシアンのフランス系、双方からの合流点としてのブーレーズから10代、20代のはじめで始まりましたから、どうしてもそれ以外は未だになじめないところはあります。
傍系としてもちろんバルトーク、ストラヴィンスキー、クセナキス、リゲティ、それにシェーンベルクやクルタークなんかも大好きですが。
ああ、それに加えて日本人作曲家がいましたね。忘れちゃいけない。
三善晃、矢代秋雄に武満徹。
もちろん高橋悠治!
2016.6
※ここでは作曲家らしく辛辣な批評が続いているが、作曲家というのは基本的に同業者は誉めない人種だということを覚えておいて頂きたい。
これは坂本龍一に限ったことではないのである。
自己を確立するために取捨選択は必須であり、また好き嫌いなどというものは時により変化するものなのである。
寧ろ、彼がどんな作曲家を聴いてきたのかを知る貴重な資料と言える。
彼は意外に日本人の作曲家を聴いていることに驚いた。
(1991)
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
製作総指揮アグスティン・アルモドバル
出演:ビクトリア・アブリル、マリサ・パレデス
音楽:坂本龍一
撮影:アルフレッド・メイヨ
人気歌手の母は自由人。
一人娘は実父と継父の間に挟まり、母への愛情を抑えながら生きる少女時代を過ごす。
家を出たっきり帰らなかった母が十数年ぶりにスペインに戻った時、彼女は27歳になっており、何と母の愛人であり、上司でもあるテレビ局社長の継父と結婚していた。
そこから、おこる惨劇も彼女の繊細な気質の故か。勿論、社会的に許されることではないが。
坂本龍一の隠れた名作でもある。