2018年7月31日火曜日

◼8月下旬・新刊のお知らせ◼

モードからフーガまで
『実践!しっかり学べる対位法』

編・著 彦坂恭人(自由現代社)

私の知る限り、あらゆるジャンルにおいて『音楽』は加速度的に『非音楽的』になってきていて『音響・サウンド重視』が主流になるようにも思えます。
それは時代・科学技術の趨勢であり、止めようとか逆らおうとする類いのものではないのでしょう。

しかし、人間が有機体で、生身で有る限りは『数字で割りきれない』部分は必ず残るのです。全てを理論化、合理化していくことに幾ばくかの不安を覚えますし『音楽的』であることは『大切な何か』を忘れないために重要だと感じています。

『対位法やフーガ』は音響技術に頼らずとも音楽の力(特に旋律)で立体構造を作り出し、聴くものの感情や知性に深く入り込むことが出来る、人間の叡知の結晶です。
そして『モード』は多様性を掴む為のヒントになり得ます。
これはジャンルを超えた音楽の本質に近付くために必要不可欠です。

理論化や合理化に抵抗しながら『理論書のようなもの』を書くというのは中々に難しい作業でしたが、私は常に『ポップである』ということを忘れたことがありません。
それはJ.S.バッハも実は同じであったのではないかと密かに思っています。
彼の音楽は今のポピュラー音楽の様に不必要にうるさくもないですし、凍てつくような数学の塊でもありません。
とても、感情溢れる音楽であり、時にメランコリックですらあります。

偉い先生方が書かれたものには遠く及びませんが、私なりの独自の視点と感性から生み出された『対位法』の書籍は『音楽の作曲』に興味のある皆さんに、何らかの感興を呼び起こすものであることを願って止みません。

今回は必ずしも『易しく学べる』に重点はおいていませんが、中世やルネサンスの作家まで研究した結果見えてきたことを本当に自由に書いています。
音楽ってなんだっけ?と一度でも考えたことのある方は是非読んでみてください。

彦坂恭人

2018年7月19日木曜日

脱け殻

私の人生は脱け殻の様なもの。

もう生きる意味もないし、心も体も疲弊しきっている。
数ヵ月と保たないバカだけが喜ぶゴミの様な音楽を盲目の餓鬼共にカネを垂れ流すだけの音楽を書くも虚しい。

それでも生きるはただ、そんな者達には負けたくないという執念のみである。
自分や家族のために生きることは既に終えているのだから。

ただ、闘うために生きる。

新曲『glow!!!』Vocal:yae.さん


『gIow!!!』を聴いてみる

作詞 yae. 
作・編曲 彦坂恭人

とても高音に伸びがあるボーカリストさんで、これだけの音域を安定して歌っています。

【構成】
ポップスのデモの定番『ワンコーラス』に大サビ➡最後にもう一回サビとなっておりワンハーフと呼ばれる構成です。

【音域】
一般的なアイドル、アニソン歌手には高過ぎる音ですが、ソプラノタイプの女声、低くても裏声がしっかり出る場合は勿論、挑戦してみる価値はあります。

2018年7月18日水曜日

特定の相手に向けて作曲をするには?

コンペティションというのは『告白』に近いものなのだと想像します。
それは特定の異性に向けられたものであるに越したことはないのでしょう。

色々なコンペを通っていても大ヒット曲が無い作曲家は恐らく、思い入れが足りないのです。

どの女の人にでも通用するような平均的な口説き文句(そんなものがあるかは知りませんが)を使い回されても、相手はそれを勘づいてしまうのです。

よく、落ちたら他でストックとして使えば良いやという様な『似非プロフェッショナル』を見ますが、恐らく長続きはしないでしょう。

一つのアーティストやアイドルに書いたものは基本的に使い回しが利かない筈なのです。
曲が流れた瞬間に『○○が歌う姿』が思い浮かぶくらいまで突き詰めるのが、本当のプロフェッショナルと言えます。

器用さで生き残るのも勿論アリですが、芸術的とは言えません。
ポップスにも芸術的要素はたくさんあるのです。

2018年7月17日火曜日

作曲で食べていくには?

大きく分けると、

◼アカデミック系
➡教授職
学歴や賞歴を身に付け、現代音楽の分野に行き大学に就職。業界の一線を退いた後の腰掛けにも最適。

➡DTMスクール開講
自分に向いていそうならノウハウを提供する側にまわる。

◼モロに業界
➡歌もの
事務所にまず通ること。コンペ情報がもらえるのでひたすら挑戦していく

➡劇伴
こちらも事務所に通るまでが大変で最初はCMなどから。

 
◼独立系
ネット販売、同人サークルでも最近は売れている人は何人か居ます。
ヒャダイン、米津玄師なんかはニコニコ動画出身です。

 
◼副業として続ける
これが一番現実的です。
会社で定収入を得ながら、一曲のデモを何ヵ月もかけ作り込めますし。

◼音楽制作会社に潜り込む(勤め人)
ゲームの効果音などから初めて曲を任されることもあるようです。(パチンコ、オンラインゲーム)

◼アシスタント
今は大分減りましたが稼いでる人のアシスタントなら少しは食べていけるかもしれません。

2018年7月6日金曜日

『歌もの/音域』のはなし

CDという固形物の売れ行きのみを見ると、今やポップス=アイドルかアニソンという図式になっていますが、所謂アーティスト(作詞、作曲、演奏までする人)とは何が異なるのでしょうか?

大きな点の一つに『音域』があります。

私は作曲を始めた頃は歌ものよりもインスト(劇伴)に興味があったので、精々が楽器の音域くらいしか調べませんでした。

趣味で鍵盤や打ち込みをメインに曲を作っている人の例に漏れず、トランペットでどこまでも高い音を吹かせたり、ヴァイオリンでチェロの音域まで行ってしまったりしても何の問題も起きなかったのです。

それが、少しは作曲というもので仕事をするようになり、たまに生楽器のアレンジを頼まれたりすると楽器には『出せる音と出せない音がある』という冷厳な事実に直面しました。

さすがに音大に行き、オーケストレーションを学ぶ頃には楽器法という有難い授業があったりして少しずつ音域を覚えていくのですが、何故か身近にある『声』というものには無頓着でした。

最近になって商用の歌ものの音楽に積極的に触れるようになり、アイドルやアニソンと言われるジャンルは作曲家にとって相当な制限があることを知ります。
ボーカリストのブログやら、ボイトレの専門家の書いているものを読んでもまぁ、皆さん言っていることがバラバラで基準が分からなかったのですが、それもその筈、人間も楽器と同じで多様性に富んでいるのです。

特に人気の高い女性歌手の場合、中央のドの真下のラを基準に『mid1 A』という言い方があり、そこからオクターブ上のラも飛び越えてレまで行ったところが『mid2 D』と呼ばれます。
この範囲で書くと安全等とも言われます。(実際は高いドとレの辺りにジョイントがあり、裏声に行くか行かないか不安定になる様です。クラリネットと同様で)

この音域は実は声楽で言うところの『アルト(女声の低い方)』とほぼ一致します。つまり、平均値を『低い音域の楽器』に合わせるという素直な考え方が一つは正解。

しかし、女性も生まれつき高い声の方は結構多くて、彼女達にこの音域は低すぎて歌いづらいのです。

ソプラノの音域は『mid1 C~Hi A(上の加線がつくもの)』が和声学で習う音域ですが、なかなか当たり前に出せるという事ではないにしろ少なくともアルトの方から3度~完全4度も上にスイートスポットが有ります。

コンペティションなどの平均値合戦になると皆、安全性や確実性を求めて低い方に合わせて書いている傾向がありますが、実はアイドルだって高い声が出せる人も居ますし、声優さんに至ってはアニメ声というくらいでソプラノの方が出しやすい人も居るのです。

作曲家は原則として浮かんだ音域で掻けば良いのですが、対象が決まっている場合はその歌手の音域は最低限調べておいた方が効率的です。

反対にアーティストはもうやりたい放題。ユーミンは男性の専売特許の様な低い音域も平気で歌いますし、平井堅は女性も歌えるかという様な高さまで幅広いレンジで飛び回ります。
ミスチルも男性で歌いこなせる人は多くないでしょう。高い上にリズム感が独特なので。

歌もののプロの作曲家を目指すなら、打ち込みの技術は勿論、どうすれば素材が活きるのか、限られた音域で表現を多彩にするには何を学べば良いのかに意識的になって下さい。

音楽性というのはデジタルだけでは計れないものなのです。

2018年7月2日月曜日

◼夏スタート◼レッスン料割引キャンペーン

【作・編曲/ピアノレッスン】

◼7月ご入会の方

入会金➡なし
60分➡5000円
90分➡7000円

※500円~1000円お得です。

新宿、池袋、高田馬場でレッスンを行っております。
※完全予約制

ジャンルは幅広くポップス(アニメ、アイドルなどの歌もの)、ジャズ、クラシカル、映画音楽など。

DTMや業界(事務所、コンペ)に纏わるお話、ご相談(自分のレベルが知りたいなど)も喜んで致します。

※生徒さんの中から有名音大合格者、音楽制作会社、音楽事務所へのデモ通過者なども増えてきております。

まずは、下記までご連絡下さい。

体験レッスンは一律で3000円(60分)で承ります。

yasuto_hikosaka@yahoo.ne.jp

※お名前や音楽歴、ご希望のレッスン内容を明記してください。
※迷惑メールに振り分けられてしまうケースもありますので、その際はTwitter、Facebookなどからのメッセ~時でも結構です。

彦坂恭人

改訂版のご案内『実践!モード作曲法』

暫く入荷未定状況が続いておりました、自由現代社刊の

『実践!モード作曲法』彦坂恭人

は7月下旬に一部改訂して、新版として発売されます。

もう暫くお待ちください。