2018年9月14日金曜日

Episode11 Ryuuichi Sakamoto

バルトークは僕には全然つまらなくありませんよ。とても影響を受けました。
ストラヴィンスキーより強く影響を受けたぐらいです。僕のルーツの一つ、ベートーベンに思考が近いからです。
クセナキスは数学的に作りましたが、その基には強い思想、感情的な動機があります。
彼はギリシアの軍隊に抵抗して拷問を受け、顔面の半分を失いました。
あの音群は、人々の足音であり、軍の銃弾の記憶が強く反映しています。

ストックハウゼン、ブーレーズも完璧に数学的な方法だけで作った訳ではありません。
あのような音響を求める強い動機がありました。それを自分たちなりに方法化しただけです。
特に二人には、強い制約がより高度な自由を得ることを知っていました。

しかし、僕の耳には「コンセルヴァトワール」のソノリティが強く、ブーレーズの音楽の中に聴こえます。

女性建築家、作曲家、シェフ、パイロットは歴史上に限らず今も虐げられています。

※当時、私の耳にバルトークは無機質に聴こえた為、その話をした際の回答。
※クセナキスの一番の高弟は高橋悠治である。彼は直感派の様に見えるが数学に強いし、強度の高い作品を残している。

※ブーレーズの音楽はやはりフランス人が書いたものだと言うのが響きにも現れている。
当然、ドイツやオーストリアの現代音楽の影響も受けているが、やはり書法の洗練、印象の作用が強く出ているのはドビュッシー、ラヴェル、メシアンの系譜に連なるものであろう。
ソノリティというのは「音」そのものを指しているが、非常に抽象的でもある。
※女性作曲家というのは当時だとタイユフェールやリリ・ブーランジェなどが居たが、それ以前にもファニー・メンデルスゾーン、クララ・ヴィーク(シューマン)等も作品がしっかりと見直され始めたのは最近であろう。
商業音楽やポップスの世界では寧ろ、女性の活躍は目覚しい。

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