2018年9月10日月曜日

坂本龍一の託宣(9)

お前いい加減にしろよ。
と言われそうだが、私は気にしない。そもそも、ここまで書き続けるつもりもなかった。
ただ、今読み返してもあまりにも面白いので皆さんに共有せねばという一心だけである。
ご本人には恨まれるかもしれないが、それは私が背負えば良いだけである。

・・・・
ジェリー・ゴールドスミスの譜面も見たことがありますが、とても緻密に書いてます。
みんな真面目ですね~!ぼくは書くのが嫌だから、こっちのPopの世界にきたようなものです。

パクリと影響とどれだけ差があるか、難しいところです。
聞いた話ではジョン・ウィリアムスは、スピルバーグの前でピアノを弾きながら進めてたそうです。
ですから、ピアノのスケッチ程度のものをオーケストレーターに渡して、ここはプロコフィエフのこの部分、ここはコーンゴルト、などと指示しているのかもしれませんね。
コーンゴルトは映像を見ないで脚本だけで音楽を書いたそうです。オペラと同じ発想ですね。
モリコーネは偉大ですよ。
ぼくはハーマン、モリコーネの二人は歴史に残ると思ってます。

※幸運なことにたまたま、私もこのお話を伺う前に、大学時代の師匠(坂田さんではないが)のお陰で、ゴールドスミスの譜面を見ていた。
リダクションとはいえ、しっかりと木管、金管、弦、打楽器やシンセまでも書き込んである、隙間のないスコアであった。

反対にジョン・ウィリアムスの場合はハリウッド音楽で活躍されている日本の作曲家のお話では連弾譜程度の簡易なものらしい。
ただ、彼も元々はオーケストレーターをしていたので、勿論、昔は自分で全て書いていたのである。
キャリアにおいて比較的早めにハーバート・スペンサーという優れた先輩と出会った為に、自分でやるよりも上手くいくならばということで、初期の頃からスケッチだけを書くようになったと思われる。

旧式でやっていた、バーナード・ハーマンなどからは「自分で書かないとは何事だ!」とお叱りを受けたこともあったらしいが、実際に出来上がってきた作品の質の高さに、恐らく重鎮たちも納得せざるを得なかったであろう。
ゴールドスミスにも専属オーケストレーターは居るが、比較的自由度が低い。なぜなら、ほぼ全ての音がコンデンススコアに書いてあるのだから。

この辺りは日本でも問題になっているが、私は今の時代、分業することに何の問題もないと思っている。
あとはどこまで任せるかは作曲家自身のプライドや価値観の問題であろう。
私もオーケストレーションや打ち込みは面倒臭いので、コーラの「原液」を作る方が好きだが、あまりにも性格が捻くれているのでパートナーはなかなか見付からず、必然的に全て自分でやっている。

まぁ、そのお陰で上達するから良いとも言えるけれども。

つづく。(保証はしない)

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