2018年9月19日水曜日

大河ドラマについて~坂本龍一さん13

坂田さんの大河で一番好きなのは「おんな太閤記」と「いのち」です。どちらも直ぐに3度転調しますね。
坂田さんのそういう音楽はモーリス・ジャールに似た部分がありますね。恐らく好きだったのではないかな。勿論、ラヴェル的な部分は大きいですが。

※3度転調に関しては、今のポップス(歌モノ)でもまだ使われている。
同じフレーズを高さを移して再度提示することにより、まるで同じ景色が異なって見える様である。
歌モノの場合は単に音域の制限が大きい為に転調や転旋により、楽曲に動きを付ける目的もあるだろう。

※私は実際、坂田晃一先生に過去の音楽や影響について質問をしたことがあるが、彼の答えは意外にも「あまり聴いていない、影響されるからね」というものであった。
本当かどうかはご本人のみぞ知るものだが、彼の楽曲を聴いているとやはり世間の流行りに流されては居ないと感じる。
レッスンでも寧ろドボルザークやラヴェルのオーケストレーションなどクラシックの話の方が多かった。
ちなみに私は圧倒的に「春日局」の音楽性の深さが好きである。
賛同者は少ないが。

・・・
(続き)
大河ドラマ全体で言えば湯浅さんの「徳川家康」も好きですし、三善さんの「春の坂道」は流石です。
林光さんの「国盗り物語」「花神」「山河燃ゆ」もいいですね。
僕は割りと林光が好きです。
あの方もインヴェンションに満ちています。ちょっとプロコフィエフやショスタコーヴィチを彷彿とさせるところもあります。

※この辺りの坂本さんの好みは、彼が「ポピュラー」への適性が強いことを示している様に思える。
私も坂田晃一以外で好きな曲は林光、三枝成彰などである。
勿論、湯浅譲二や三善晃の商業音楽とは思えぬとても深い芸術性にも圧倒されるが。
そして、武満徹も一作書いている。
この当時、坂本さんも「八重の桜」のテーマを書いた後であり感慨深いものがあったであろう。
彼が書いた曲はフーガの様にテーマが五度(四度)移行する出だしであったところがまた面白い。

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